ついに生えた。これはもはや笑えない。漫画の世界だ。なんと部屋にきのこが生えた。信じられない。これは手遅れ。こんにちは毒きのこ。上の写真が問題のきのこでございます。
つくづく考えた。この部屋に女の子が来たら何と言うのだろうか?「散らかっているねぇ」なんかじゃ済まされないぞ。僕が女だったら、部屋に入った途端に帰る。それくらい汚い。汚いなんてもんじゃないや。「むごい」
今まで、男の家に遊びに行って「散らかってるよ」と言われても、どこが散らかっているのかわからなかった。それもそのはず、僕の部屋にはきのこが生えるくらい散らかっているのだから。
そういえば、最近ゴキブリを見なくなった。その変わりにムカデが出る。先日顔を刺されて今でも顔に傷がある。部屋が納豆臭い荒井秀之は僕のその顔を見て爆笑しやがった。掃除を習慣付けようと思った秋の長い夜。
ヒグチマキコさんの新曲「Rui」のPVが完成。少しばかりストーリー仕立てに仕上げてみました。明日には納品して来月にはプレスされ全国のCD店に並ぶ。ジャケットと帯には僕の名前が書いてある。おまけに僕の新作「月が欠けるまでの間に」までもが特典映像として入っている。なんだかすごい不思議な気分だ。売れまくってしまう事を願う。
天気がいい今日。山茶花谷町線(知っている人はすごい!)に乗ってあの街まで行こうじゃないの。ガタゴト揺られて夕陽を眺めてでっかい川を渡りましょう。
19歳の頃。小田急線で神奈川の山奥から新宿まで通っていた僕は、帰りの電車を時々各駅停車の電車で帰った。急行電車とは違ってガラガラの車内には不思議な空気が流れていた。降りた事のない駅で降りるのが楽しかった。見た事ない町並みを歩くのが大好きだった。いつかは住んでみたい町が日々多くなった。思い出深いのは「梅が丘」という駅だ。駅からすぐのコンビニで働く女の子に東京の匂いを感じた僕は、週に数回、梅が丘で下車するようになった。コンビニで1品だけ何かを買い、その子からお釣りをもらって再び各駅停車に乗り込む。おつりを待っている時間が好きだった。だからわざと500円以下のものを買い、千円札や5千円札や一万円札を出した。赤いほっぺとマニュアル通りの言葉。その子は梅が丘っていう街で東京を最高に満喫している感じがして素敵だった。
財布が小銭でパンパンになる頃。梅が丘では降りなくなった。将来、梅が丘で笑って下車出来るように、苦い思い出は作りたくなかったんだ。
東京は女の子を変身させる。19歳の僕が見た梅が丘の女の子のように、人を引きつける何かがある。ふとした表情や言葉や声が、東京色にキラキラしている。田舎もん丸出しの僕はそれがすごく素敵に見えたんだ。
今でも梅が丘を通ると思い出すよ。今ではすっかり急行電車に乗ってしまう自分が悲しいよ。
山茶花谷町線に乗って、あの街まで。もうあの子はいないだろうけど、あの街まで。
写真 ヒグチマキコPV「Rui」より