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5月になりましたね。
僕としては、好きな季節の到来。
夏は、もちろん好きなんですか、その夏が来るのを匂わせるような
この時期も好きです。

半袖じゃあ寒すぎるけど、何か羽織るにはちょっと暑い。
そんな中途半端な季節。

そう思えば、「直前」が一番いいもんです。
そのわくわくの前夜のような辿々しい高揚感で
ただ、ひたすらに時間を待つのです。

ワールドカップだって、今が開催される直前だから
あれやこれやと幻想を思い描けるわけで
実際に始まってしまったら、テレビで映し出される国と国のぶつかり合いが日常になってしまいます。

映画だってそうだと思います。
見る前が一番楽しい。もちろん良作に出会えればそれこそ幸せですが、あの見る前のわくわくには勝てない気がします。


日常と離れたものに対して、いかに希望を持てるか、
なんだと思います。
日常として認識された時点で、
それは価値のないものになってしまいます。
夏もサッカーも、映画も。


この、五月という、
ささやかで、ありふれた奇跡を
緩く流れる、生温い風を
確実に進む時間や日々の経過と共に
噛み締める事がすごく大事なんじゃないかって思います。


しかし、どうしてこの時期になると
街に美人が溢れ出すでしょうか。

そうです、それすらも、五月の魔法だって事くらいは
知っていたりもします。

そして、どうして、そういう美人を見ると
心底悲しくなってしまうのでしょうか。


そうです、それすらも、五月の魔法だって事くらいは
知っていたり、知らなかったり。





BaseBallBear/Boys may cry


辛かったら、俺の胸で、泣いたっていいよ。